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相続放棄と生命保険契約の死亡保険金

状況

以前、会社を経営している夫を亡くした奥様から相談を受けました。
その奥様は、夫の相続財産にあまり大きなものはなく、会社の銀行借入に対する保証人の継承が不安だったため、自分は生まれ故郷に帰って暮らそうと考えて相続放棄することを決意していました。

 

ただ、夫がかけていた生命保険があり、受取人の奥様に5千万円余りが入金になる予定でした。

 

会社の顧問税理士の担当職員は、奥様にその会社の株式を相続してもらいたいと考えており、また、銀行の担当行員は、奥様にその会社の借金の保証人の地位を引き継いでもらいたいと考えていたため、両者は奥様の相続放棄に抵抗して反対してきました。

 

奥様の相続放棄を止めさせようとして、両者は「相続放棄とは全ての財産の継承を放棄するのだから、当然に生命保険金の受取もできない」旨を奥様に伝えていたようです。

当事務所からの提案

困った奥様から当センターに相談があり、当方の回答として、
相続放棄の対象となる財産の範囲は本来の相続財産であり、
死亡保険金の受取金のように本来の相続財産ではないのに「相続税法の規定により相続財産とみなされる財産」は相続放棄の対象となるものではない旨を説明して納得してもらいました(相続税法第3条1項)。

 

そして、奥様の要望で、当方より会社の顧問税理士の担当職員と銀行の担当行員にも説明させていただきました

結果

その後、奥様は相続放棄を行い、生まれ故郷の実家に戻った奥様から自筆のお礼状をいただきました。