【相続税の配偶者控除:正しく活用して税額の軽減を】
2024年10月25日
相続税の配偶者控除は、相続税の計算において非常に重要な役割を果たします。この制度を正しく理解し活用することで、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。配偶者の税額軽減制度の主なポイントは次の通りです。
・配偶者が相続した財産が1億6000万円以下なら、全額非課税。
・1億6000万円を超える場合でも、配偶者の法定相続分まで非課税。
<例1:夫が残した財産が3億円で、妻と子供2人が法定相続分どおりに相続する場合>
妻の法定相続分:1億5000万円(3億円の2分の1)
この場合、妻の相続分は1億5000万円で1億6000万円以下なので、全額非課税 となります。
<例2:夫が残した財産が5億円で、妻と子供1人が法定相続分どおりに相続する場合>
妻の法定相続分:2億5000万円(5億円の2分の1)
1億6000万円を超えていますが、法定相続分の2億5000万円まで非課税となります。
<例3:夫が残した財産が3億円で、妻が2億円、子供が1億円相続する場合>
妻の相続分:2億円
この場合、妻の相続分の内2億円-1億6000万円(配偶者控除)=4000万円が課税となります。
しかし、この制度を最大限に活用して配偶者に多くの財産を相続させると、その次の配偶者自身の相続(これを二次相続といいます)時に問題が生じる可能性があります。この二次相続の時には配偶者控除が適用できないため、夫の残した財産の相続(これを一次相続といいます)と配偶者自身の財産の合算に対して相続税が課税されます。
二次相続では、一次相続で配偶者が取得した財産が多いほど、相続税の課税対象となる財産が増加します。これにより、二次相続時の相続税額が高くなる可能性があります。
一次相続での配偶者の税額軽減と二次相続の税負担のバランスを考慮することが重要です。相続が発生した際は、当サポートセンターにご相談いただき、一次相続での配偶者の税額軽減と二次相続も見据えた最適な方法を検討することをおすすめします。