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相続をしない・制限する選択:3つの方法を比較

2024年11月08日

 相続で財産を受け、継ぎたくない、あるいは制限したい場合、「相続放棄」「限定承認」「遺産分割協議」という3つの選択肢があります。それぞれの特徴を比較しながら見ていきましょう。

 

## それぞれの特徴

 **相続放棄**は、すべての権利を放棄する代わりに、借金などの債務も引き継がなくて済みます。しかし、一度決まったら後戻りはできません。

 

 **限定承認**は、相続財産の範囲内でのみ借金などの債務を引き継ぐ制度です。例えば財産が1000万円で借金が2000万円ある場合、1000万円分だけ返済すれば良いことになります。ただし、相続人全員で手続きを行う必要があります。

 

 **遺産分割協議**は、相続人同士で引き継ぐ財産と債務の分け方を話し合って決めます。「この土地はいらないけど、お父さんの形見の時計は欲しい」といった柔軟な選択ができます。ただし、原則として借金などの債務も分けて引き継ぐことになります。もちろん、協議により全ての財産と債務を相続人の1人に引き継がせることも可能です。

 

 **手続き方法**
 ▶ 相続放棄:家庭裁判所に申請
 ▶ 限定承認:家庭裁判所に申請(相続人全員で行う)
 ▶ 遺産分割協議:相続人同士で話し合い

 

 **申請期限**
 ▶ 相続放棄:相続を知ってから3ヶ月以内
 ▶ 限定承認:相続を知ってから3ヶ月以内
 ▶ 遺産分割協議:特になし

 

 **相続人としての立場**
 ▶ 相続放棄:完全に相続人でなくなる
 ▶ 限定承認:相続人のまま(財産の範囲内で責任を負う)
 ▶ 遺産分割協議:相続人のままでいられる

 

 **財産と債務の関係**
 ▶ 相続放棄:すべての財産と債務を放棄
 ▶ 限定承認:相続財産の範囲内でのみ債務を弁済
 ▶ 遺産分割協議:原則としてすべての財産と債務を相続人間で引き継ぐ

 

 **変更可能性**
 ▶ 相続放棄:一度決まったら変更できない
 ▶ 限定承認:一度決まったら変更できない
 ▶ 遺産分割協議:話し合いで変更可能

 

## どの選択肢が適切?

 - 借金が多く、一切関わりたくない → 相続放棄
 - 財産の範囲内なら借金を返済しても良い → 限定承認
 - 特定の財産だけ相続したい → 遺産分割協議
 - 申請期限に間に合わない → 遺産分割協議しかできない

 

 相続放棄と限定承認は一度すると取り消すことができない重大な決断です。一方、遺産分割協議での相続放棄は、相続人間の話し合いで決めることができ、より柔軟な対応が可能です。どの選択をするにしても、事前に弁護士や税理士などの専門家に相談し、十分な検討を行うことをお勧めします。

 

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